「こんばんは」という夜間中学のドキュメンタリー映画を見た。
監督は森 康行さん。夜間高校っていうのはあったと思ったけれど、夜間中学ってあまり耳にしない。不良とか、非行の子達が行ってるのかなと思いきや、そこにはさまざまな理由で義務教育が受けられなかった15歳から91歳の生徒たちがいた。そこには悲壮感はなく、みんな笑っていた。
舞台は、墨田区にある文化中学校。戦争後残った在日の人もいた。だから国籍もいろいろ、アフガンの青年二人のうち一人は、引き続き日本で定時制の高校に通い、もう一人のアバスは、アフガンに帰りたいという。でも内政が今帰れる状態じゃないということで、この夜間中学で何とかしようと試行錯誤しているようだ。
94歳のおじいちゃんは、卒業後また聴講生としてあと2年、ここに通うそうだ。不登校だったシンちゃんは、小学校5年から閉じこもり、お母さん以外の誰とも話そうとしなかった。いまでは本当によく喋るようになって、昼間の高校に通っている。
ただ、ひとつだけ、みんな口をそろえて言っていることが、学校に行くのが楽しいということ。このあたりまえの言葉がやけに印象的で、耳に残ってしまう自分に驚く。
夜間中学で、掛け算九九を習い、平和の文字と共に願う心を学び、漢字で貧乏と書けるようになったという。矛盾、必要悪、差別、権利、義務、責任の概念も学んだ。そして、親を恨んでも問題の解決にならないことを、親の後ろには社会の大きな流れがあることを学んだという。
そしてみんな救われた。親を否定することは悲しいこと、苦しいことだったから。
現在35校の夜間中学校に2880人の生徒が通っているそうだ。なんだか、久々に熱いものが頬を伝わり、胸と、耳が痛む映画だった。
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